「武器と市民社会」研究会

2007年5月に設立された「武器と市民社会」研究会の公式ブログです

ATT交渉:残り時間1週間・正式な条約案なし。ATT推進諸国のイニシアティブ

ATT国連交渉会議第三週目の半ばを過ぎると、ATTの採択を望む国々や参加NGO、研究者などのなかには、焦燥感が広がり始めました。

第三週目の終わりまでに正式な条約案が作成されず、最終週にずれこんだ場合、各国代表団が本国政府と協議する時間が僅かになってしまい、条約の採択に辿りつけない可能性が指摘され始めました。さらに、アラブ諸国などからは、20日からラマダーンが始まるため会議への参加時間が限られる、といった意見が出てきました。

第三週19日(木)には、7月交渉会議が開幕してから初めて、夕方から夜に非公式協議が設けられました。この協議では、条約のなかの目標・目的(Goals and Objectives)の箇所について、文書を作成しようとしました。しかし、冒頭の僅かなパラグラフを作成するだけでも数時間かかるなど、交渉は難航しました。ここで作成された文書(Scribdでダウンロードいただけます)では、国際人権法や国際人道法に関する文言が削られ、国家による武器貿易の許可の際の規制ではなく、所謂「非合法市場」への流出/迂回の阻止に焦点が当たるなど、相当文言が弱められています

本日20日(金)夕方から夜、さらに週末の21日(土)と22(日)の朝9時から夜にかけても、非公式協議が設けられることになり、同じような形で各セクションについての交渉が行われる見込みです。政府代表団に入っているNGO関係者からの情報によれば、本日20日夜は規制対象、21日(土)は実施、前文、原則、22日(日)は移転許可基準と最終規定について協議をする予定(ラマダーンに配慮して土日の夜はなるべく早めに終了する)とのことです。

本日までの正式な条約案の形成が無理なのは確実であり、おそらく早くても来週初めになることから、交渉時間の問題が懸念されています。さらに、上記の目標・目的文書で文言が相当弱まり、週末にかけての交渉でも同様のことが起きる可能性が指摘され、20日(金)午前、ATT推進国やNGOのなかには不安が広がりました。ノルウェーをはじめとする国々は、厳格なATTを求める声明を作成し、可能な限り多くの国々による共同声明にして、20日(金)の会議場で読み上げ、週末の協議が始まる前に、交渉の流れや空気を変えようとしました。

しかしながら、2006年ATT国連総会決議の原共同提案国やフランスなどは、今の段階でのこの声明は強すぎるとして、声明に合意しないように他のATT推進国に働きかけるなどして、反対しました。
結局、原共同提案国(イギリス、日本、オーストラリアなど)やフランス等を除いた、ATTを推進する73か国がこの声明に合意し、マラウイが会場で読み上げました。この声明は、Scribdでダウンロードいただけます。
この声明についてのNGO(Control Arms)の反応は、こちらのグラフィックでした
7月23日追記:この声明に合意した国の数についての情報は、7月20日の情報では73か国でしたが、7月23日の情報では最終的には74カ国ということでした。

現在、ニューヨーク時間で20日(金)午後7時前後です。ATT交渉会議は、残り1週間となりました。

(作成者:夏木碧 「武器と市民社会」研究会事務局担当。2003年より、国際NGOオックスファムにて人道/軍備管理・軍縮分野を担当。ATT関連の調査・研究や国内・国際会議の企画・調整等を行う。4週間のATT交渉会議に参加している。)

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