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「武器と市民社会」研究会

2007年5月に設立された「武器と市民社会」研究会の公式ブログです

ATT交渉:7月19日移転許可基準の非公式文書、午前と午後

7月19日(木)午前、主要委員会では移転許可基準に関しての非公式文書が配布されました。これに基づいて議論が行われましたが、さらに夕方になって、新しい非公式文書が配布されました。注:正式な条文案ではありません
追記:先に文書のリンクのみ掲載いたしましたが、7月20日、説明を加筆しました。

1. 午前の文書(こちらからScribdでダウンロード可能)
 会議第三週、国連安保理常任理事国5か国(とりわけ米中露)は、移転許可基準を「実施」セクションに入れ込むことを主張していた。午前の文書は、この主張を反映し、条約実施のセクションに国際人権法、国際人道法等の移転許可基準を盛り込むものになった。
 許可基準を適用する行為は輸出のみに限られ、仲介、通過・積替、輸入などは対象外となっている。
 持続可能な開発への影響に関しては、許可基準とは別の項目に述べられ(2頁目3)、輸出国は、輸入国とともに、持続可能な開発への潜在的な影響について任意で検討する(can consider)旨が書かれている。
 武装暴力に関する移転許可基準や、汚職に関する移転許可基準は含まれていない。

2. 午後の文書(こちらからScribdでダウンロード可能)
 午前の文書についての多くの国からの批判を受け、移転許可基準だけの文書になった。
 この文書でも、許可基準を適用する行為は輸出のみに限られ、仲介、通過・積替、輸入などは対象外となっている。
 2011年7月文書にも、その後の文書にも盛り込まれていなかった、「ジェンダーに基づく暴力や子どもへの暴力の遂行や助長に使用される」という移転許可基準が、初めて挿入された。
 開発に関する移転許可基準や、汚職に関する移転許可基準は含まれていない。また、ジェンダーに基づく暴力や子どもへの暴力、という文言は入っているが、そうした行為を含む「武装暴力」という文言は含まれていない。
 国際人権法の重大な違反(serious violations)に使用される等の大きなリスクがある場合について、「許可をしないという推定をする」(there shall be a presumption against authorization)という文言が入っており、許可をするという判断が可能な余地がある。

【19日の午前と午後の文書で挿入されたり削除されたりした移転許可基準を、主要委員会で強く支持していた国々】
1. 持続可能な開発への悪影響、といった移転許可基準
この基準を強く求めた国々:コスタリカ、キプロス、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、マラウイ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、パラウ、サモア、イギリス、ケニア、ナイジェリア、スイス、ガーナ、スウェーデン、トーゴ、コンゴ共和国、コートディヴォワール、タンザニア、セネガル、オーストラリア、バチカン市国
2. 移転をすると汚職を伴うことになる、といった移転許可基準
この基準を強く求めた国々:コスタリカ、キプロス、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、スペイン、トーゴ、オーストラリア、バチカン市国
3. ジェンダーに基づく暴力や子どもへの暴力を含めた武装暴力に使用される、といった移転許可基準
この基準を強く求めた国々:アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、スペイン、リベリア、マラウイ、サモア、スペイン、CARICOM、ECOWAS

(作成者:夏木碧 「武器と市民社会」研究会事務局担当。2003年より、国際NGOオックスファムにて人道/軍備管理・軍縮分野を担当。ATT関連の調査・研究や国内・国際会議の企画・調整等を行う。4週間のATT交渉会議に参加している。)

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