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「武器と市民社会」研究会

2007年5月に設立された「武器と市民社会」研究会の公式ブログです

セミナー報告「オスロ・プロセスは『成功』なのか?再考・クラスター弾禁止条約」

2009年10月8日(木)、拓殖大学文京キャンパスにて、「武器と市民社会」研究会連続セミナーの第二回目となる「オスロ・プロセスは『成功』なのか?再考・クラスター弾禁止条約」が開催されました。

台風による影響が危ぶまれるなか、前回と同様に多様なバックグラウンドの皆様にご参加をいただき、無事に終了いたしました。

【プログラム】
18:00 開会挨拶等
18:10 報告1: 林明仁
18:30 報告2: 福田毅
18:50 司会者のコメントとディスカッション
19:15 休憩
19:25 会場からの発言と応答
20:20 司会による議論終了
20:30 セミナー終了

【各自レジュメの内容とセミナーの様子】
◆林氏報告
hayashi

1.オスロ条約の実効性
Q:アメリカ、ロシア、インド、パキスタンなどの保有国がオスロ条約に参加していない。実効性に問題があるのではないか。
A:クラスター弾は以前より使いにくくなったという状況がある。実効性に課題があるのは確かだが、保有国の政策に多少の影響はある。

2.クラスター弾の非人道性
Q:クラスター弾のどの点が「非人道的」と批判されたのか。
A:クラスター弾使用時の被害対象の無差別性および使用後不発化することによる地域への長期的影響は「非人道的」と考えられる。

3.クラスター弾の軍事的有用性
Q:なぜ、オスロ条約採択後も、クラスター弾は合法的兵器だと主張する国があるのか?
A:クラスター弾の軍事的有用性が完全に否定されたわけではない。非人道性より軍事的有用性を重視する国はクラスター弾を保有し続ける。問題は、両者のバランスを考えたときに、どちらが重みを持つかである。

4.自衛隊のクラスター弾保有
Q:自衛隊は何のためにクラスター弾を保有してきたのか?
A:大規模着上陸作戦が実施された場合、クラスター弾はある程度の有用性を有すると考えられてきたが、現在大規模着上陸作戦の蓋然性は極めて低い。また、住宅密集地が多い日本において、クラスター弾を使用することは国民への影響が避けられず、国民保護の観点から問題点が多い。

5.クラスター弾の放棄と防衛
Q:自衛隊がクラスター弾を放棄すれば、どのような影響が生じるのか?
A:既存の兵器で対応可能ではないか。

6.今後の日本の対応
Q:日本は、オスロ条約に加盟する見込みの少ない周辺国に対して、どのように対応すべきなのか?
A:日本の行動のみで周辺国の対応が変わることはない。ただ、まずはこのクラスター弾の問題について日本が関心を持ち、積極的に関与するという姿勢を内外に示すことが重要である。例えば、普遍化に向けた政府間の地域会合を開き、課題を把握することから始めることは可能である。

◆福田氏報告
fukuda

オスロ・プロセスの限界

1.クラスター弾の性質
・攻勢作戦にも防勢作戦にも使用可能
・保有国・製造国は少なく、被害も(地雷と比べれば)限定的
・クラスター弾の代替となる兵器はあるのか
・地雷とクラスター弾を同列に論じてよいのか

2.国際法と通常兵器の規制
・「武力行使=悪」との前提に立たず、軍事力と武力行使の必要性を認める
・軍事的必要性と道徳的配慮のバランス
・「違法な兵器」の判断基準
・クラスター弾は「違法な兵器」「非人道的な兵器」なのか

3.オスロ・プロセスの問題点
・主要なクラスター弾製造国・保有国・使用国の不参加
・NGOの関与のあり方(西欧諸国・日本とNGOの対立)
・西欧諸国がプロセスに参加した理由
・オスロ条約加盟国は今後増大するか
・プロセス不参加国の対応(ロシア・グルジア紛争、米国の見解)

4.自衛隊とクラスター弾
・自衛隊がクラスター弾を調達した理由
・冷戦後におけるクラスター弾の必要性(西欧諸国と日本の戦略環境の相違)
・クラスター弾放棄が自衛隊の作戦行動に与える影響
・クラスター弾放棄が日米関係に与える影響
・中国、ロシア、北朝鮮、韓国への対応

5.市民と軍縮
・軍人でない市民に軍事的必要性を考慮する義務はあるのか
・道徳的配慮とは何を意味するのか(「誰」に対する配慮なのか)
・市民と軍隊・軍人の関係の在り方

◆司会者コメントとディスカッション

◆会場からの発言と応答
QandA

QandA2

QandA3

打ち上げでも議論は続く・・・。

Hayashi&Fukuda


電車等の交通機関が不安定ななか、遅くまでご参加いただきまして、有難うございました。
セミナーを共催し、会場を提供くださいました拓殖大学さんに、改めて御礼を申し上げます。

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