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「武器と市民社会」研究会

2007年5月に設立された「武器と市民社会」研究会の公式ブログです

2012年国連総会・第一委員会でのATT決議とコンセンサス方式問題

2012年10月、国連総会・第一委員会で武器貿易条約(ATT)に関する決議案が提案されました。決議案はこちらからダウンロードいただけます
今週前半(2012年11月5日から7日)にも採択される見込みです。
【11/8追記:11/7に第一委員会で賛成157棄権18反対0で採択されました。今回は中国も賛成しました。】
こちらで、どの国が賛成し、どの国が棄権や欠席したのかを示した表をご覧いただけます(PDFファイル)。

ピースデポ『核兵器・核実験モニター』410号5-8頁や、日本軍縮学会のニュースレター第15号10-11頁などにも掲載されている通り、ここに至るまでには様々な議論がありました。

● 7月から国連第一委員会までの経緯概要
2012年7月交渉会議が決裂した直後に、アメリカ政府は、2012年の国連総会で決議を採択し、もう一度、交渉会議をコンセンサス方式で開催すると決定すべきとの声明を発表しました。
これに対して、NGOは、26日草案に含まれる大きな抜け道を塞いだ修正版条約案を作成して、今年の国連総会で採択すべきと主張しました。
しかし、2012年10月から11月初旬の国連総会第1委員会に向けて、9月末までに、イギリス、オーストラリア、日本、フィンランドなどの原共同提案国グループは、アメリカの意向に沿った内容、つまり、2013年3月18日から28日まで、もう一度コンセンサス方式でATT交渉会議を開催する、という国連総会決議案を起草しました。
NGOは、せめて次の交渉会議はコンセンサス方式を採用しないように求めました。7月のATT交渉会議終盤の7月20日と26日の有志国声明(リンク先で解説)を主導したメキシコ、ノルウェー、トリニダード・トバゴ、ニュージーランド等の国々も、再度コンセンサス方式で交渉会議を開催することへの懸念ないし反対を示していました。
しかし、原共同提案国は、原案と同様の趣旨の決議案を提案しました。

● コンセンサス方式問題
コンセンサス方式で開催された7月交渉会議の決裂、コンセンサスが追求された8月の国連小型武器行動計画第二回履行検討会議の結果(最大公約数的な、ほぼ形だけの文書を採択)、そして今回のATT決議案を受けて、11月1日、国連総会第一委員会において、軍備管理・軍縮分野のNGOが共同声明を発表しました。
こちらからダウンロードいただけます
近年の軍備管理・軍縮分野でのコンセンサス方式の問題を論じています。

● 7月26日ATT草案の抜け道をめぐる議論
国連総会第一委員会中に、「コントロール・アームズ」が国連本部で各国政府関係者やメディアに配布したペーパーは、こちらからダウンロードいただけます
2012年7月26日ATT草案にみられる主な抜け道を指摘しています。
ただし、第一委員会中のNGOと各国との会合においては、イギリス、オーストラリア、日本、フィンランド等の原共同提案国グループは、来年3月に再度交渉会議を開催した場合、7月26日草案から大きく変えることに抵抗を示しており、アメリカは7月26日草案のなかの第5条-2(こちらのページの中盤に解説があります)以外については変える気がない様子です。

【参考】
● 第一委員会中の各国の発言は、Reaching Critical Willのサイトに掲載されています
● 7月26日草案については当ブログ過去記事でも日本語解説していますので、よろしければご覧ください

(作成者:夏木碧 「武器と市民社会」研究会事務局担当。2003年より、国際NGOオックスファムにて人道/軍備管理・軍縮分野を担当。ATT関連の調査・研究や国内・国際会議の企画・調整等を行う。)

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